B型肝炎訴訟請求期限延長へ向け厚労省へ要望書提出、行政広報で制度を知った人はわずか4.6%、調査で浮かび上がった「制度周知」と「請求期限周知」の課題

掲載内容はリリース配信当時のものです。内容について変更がある場合がございます。

アディーレ法律事務所(本部:東京都豊島区、代表弁護士:鈴木淳巳)は、当事務所にB型肝炎訴訟の給付金請求をご依頼いただいた方のうち、SMS送信が可能な既決者を対象に、「B型肝炎訴訟の給付金制度に関する実態調査」を実施し、1,008件の有効回答を得ました。

2012年1月にB型肝炎特措法が施行されてから、これまで3回の給付金申請期限の延長が行われましたが、いまだ推定患者数に対し6割以上の未救済被害者がいるとされています。

現行法の請求期限が2027年3月末までと迫る中、なぜ現在も6割以上の未救済被害者がいるのか、何が原因なのか、周知は行き届いているのか、という問題意識から、本調査を実施しました。

調査の結果、給付金申請制度を知ったきっかけ(複数回答)として「行政の広報」を挙げた回答は4.6%にとどまり、「弁護士事務所の広告」は83.6%、請求期限があることを「知らなかった」とする回答は35.8%、B型肝炎訴訟の制度を知ってから実際に相談・行動を起こすまでに「1年以上」を要した人は53.0%で過半数を占めました。さらに、請求期限の延長の必要性については59.0%が「必要である」との回答を得ました。

本調査は当事務所の依頼者層の傾向を示すものであり、B型肝炎感染被害者全体を代表するものではありません。もっとも、当事務所の依頼者層において、制度の認知や請求期限の把握が十分でないこと、また、相談開始までに時間を要している実態が確認されたことは、制度周知の強化や請求期限のあり方について、改めて検討する必要性を示唆する結果といえます。

【調査結果のポイント】

1. 制度認知のきっかけは「弁護士事務所の広告」83.6%、行政広報は4.6%

 制度を知ったきっかけ(複数回答)として最も多かったのは「弁護士事務所の広告(テレビCM・ラジオ・新聞・インターネット広告)」で83.6%でした。一方、「行政(国・自治体)の広報」は4.6%にとどまりました。今回の調査対象は、当事務所に依頼した方であるため、広告経由が高く出やすいサンプル特性はあります。それでもなお、当事務所の依頼者層において制度認知の経路として民間広告の回答割合が高いことは、行政広報の届き方に検討の余地があることを示唆しています。

【問】どのようなきっかけで「B型肝炎訴訟の給付金制度」を知りましたか。
  (複数選択可)必須

2. 3人に1人超が請求期限を知らなかった

B型肝炎訴訟の給付金制度に請求期限があることを「知らなかった」と回答した人は35.8%でした。制度の認知に加え、「いつまでに請求しなければならないか」という期限情報が十分に届いていない可能性があり、請求期限(2027年3月末)の周知のあり方は重要な論点です。

【問】B型肝炎訴訟の給付金制度に、請求期限があることを知っていましたか。(1つ)必須

3. 制度を知っても、実際の相談・行動まで「1年以上」が過半数

制度を知ってから弁護士などに相談・行動するまでの期間について、「1年以上」と回答した人は53.0%で過半数でした。背景には、資料収集や手続き準備、家族内の調整など、複数の要因がある可能性があります。制度認知後もすぐに行動に移れない人が一定数いることがうかがえます。

【問】制度を知ってから、弁護士などに相談・行動するまでに、どの程度の期間がありましたか。(1つ)

4. 請求期限の延長は「必要」59.0%

現在の請求期限(2027年3月末)以降の期間延長については、「必要である」が59.0%、「どちらともいえない」が36.7%、「不要である」が4.3%でした。制度認知や期限の周知、相談・行動までに時間を要する実態などを背景に、延長を求める声が一定数あることが示されました。

【問】現在の請求期限(2027年3月末)以降の期間延長は必要だと思いますか。(1つ)必須


【自由記述から見えた声】

自由記述では、制度周知や情報提供のあり方について、次のような声が寄せられました。

・国からのアナウンスはなく、患者が申請しないと国は何もしない。個人情報保護には留意しながらも、
 国から働きかけをしていただきたい。

・自分が請求できるものなのか、請求して良いものなのか、手続きは面倒なのではないか、周囲に知られて嫌な想いを
 するのではないかなど迷いました。同じように迷っている人がいると思うので、様々な方法での周知とともに
 期限の延長が必要だと思います。

・私は亡くなった母親の血液検査結果の紙を持っていたため請求することができましたが、
 従姉妹は病院でB型肝炎と診断されたけれど母親がその後亡くなったため証明することができず請求をあきらめました。
 私は運が良かった。でも従姉妹を見ていて、どうすることもできず無念です。

・私は、テレビ広告見た知人の情報提供で給付制度を利用させて頂きました。そもそもB型肝炎自体発症しているかも
 分からない方々が多いと思います。なので、健康診断等の検査項目に追加推奨するべきだと思います。

こうした記述からも、制度そのものの周知だけでなく、請求期限の情報や手続きに関する案内、医療機関を含めた
相談導線の整備が課題であることがうかがえます。


【当事務所の考え】

本調査では、制度認知のきっかけ(複数回答)として行政広報を挙げた回答は4.6%、請求期限を知らなかった回答は35.8%、制度認知から相談・行動まで「1年以上」を要した回答は53.0%でした。また、請求期限の延長については59.0%が「必要である」と回答しています。
当事務所の依頼者層の中でもなお、制度認知や期限把握、相談開始までに時間を要する実態が確認されました。アディーレ法律事務所は、B型肝炎訴訟の給付金制度を通じて一人でも多くの被害者の方を救済するためには、下記が必要であると考えています。

・請求期限の延長へ向けた速やかな対応
・国による広報活動の抜本的強化
・救済対象者の発見へ向けた施策の拡充

B型肝炎事業部 部長 大西亜希子弁護士コメント

B型肝炎訴訟の給付金制度は、国の責任が認められた被害に対する重要な救済制度です。しかし、今回の調査では、給付金制度を知ったきっかけとして行政広報を挙げた方は4.6%にとどまり(複数回答)、請求期限を知らなかった方も35.8%に上りました。さらに、制度を知ってから相談・行動に移すまで1年以上を要した方が53.0%と過半数を占めています。制度が存在していても、必要な情報が届かず、知ってもすぐに動き出せないのであれば、救済制度として十分に機能しているとは言えません。私たちは、給付金制度の周知、期限情報の伝達、相談支援のあり方を見直すとともに、請求期限を速やかに延長すべきと考えています。


【調査概要】
調査名:B型肝炎訴訟の給付金制度に関する実態調査
調査期間:2026年6月2日~6月5日
調査手法:SMSにてWebアンケートURLを送付し、回答を取得
対象者:当事務所にB型肝炎訴訟の給付金請求をご依頼いただいた方のうち、SMS送信が可能な既決者
有効回答数:1,008件
備考:本調査結果は当事務所依頼者層の傾向を示すものであり、B型肝炎感染被害者全体を代表するものではありません。


【本件に関する記者会見のご案内】
当事務所は、本リリースの内容に関連して、下記のとおり記者会見を実施します。

日時:2026年 6月 23日(火)14:00
場所:厚生労働省 会見室(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)
登壇者(予定):大西亜希子弁護士、丹野卓真弁護士、被害者様ご本人
内容:B型肝炎訴訟の給付金制度をめぐる現状と課題について
※記者会見同日に厚生労働省へ要望書を提出することを予定しております。


【本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先】
 アディーレ法律事務所 広報部
 TEL:03-5950-0268  MAIL: kouhou@adire.jp