B型肝炎給付金の実態調査報告〜制度を知ったきっかけ、請求までの期間、期限延長への意識を深掘り〜

掲載内容はリリース配信当時のものです。内容について変更がある場合がございます。

調査概要

集計期間:2026/6/2~2026/6/5
データ取得方法:SMSにて、WebアンケートのURLを送付し回答を取集する。
対象者:当事務所にB型肝炎訴訟の給付金請求をご依頼いただいた方のうち、SMS送信が可能な既決者
有効回答数:1,008件

※調査結果は当事務所依頼者層の傾向を示すものであり、B型肝炎感染被害者全体を代表するものではありません。
※本文中の分析コメントは、調査結果を踏まえた当事務所の見解です。

アンケート調査の質問項目

Q1. あなたは以下のどちらに該当しますか。(1つ)必須

選択肢確定回答数有効回答比率
B型肝炎の感染被害者ご本人819件81.3%
B型肝炎感染被害者のご遺族189件18.8%

<分析>
約2割を占める「遺族」請求の存在
本調査では、回答者の81.3%が「B型肝炎の感染被害者ご本人」、18.8%が「ご遺族」でした。依頼者層の中でも、請求主体が本人だけでなく遺族にも一定程度広がっている実態がうかがえます。請求にあたっては、本人・遺族を問わず、過去の医療記録や関係資料の収集に時間と負担を要する場合があり、特に遺族請求ではその負担が大きくなりやすいことから、手続面での配慮が求められると考えられます。

Q2. B型肝炎ウイルスに感染している可能性がある、またはB型肝炎と診断された
  ことを最初に知ったきっかけを教えてください。(1つ)必須

 選択肢B型肝炎の感染被害者ご本人B型肝炎感染被害者のご遺族総計
01.健康診断・公的検査・献血で判明した53.1%19.1%46.7%
02.医療機関を受診した際に判明した33.7%56.6%38.0%
03.家族・周囲から勧められて検査し判明した4.3%10.6%5.5%
04.その他8.9%13.8%9.8%

<分析>
本人と遺族で判明経路に違いはあるが、共通して「検査・受診機会」が重要
感染に気づいたきっかけは、本人では「健康診断・公的検査・献血で判明した」が53.1%で最も高く、遺族では「医療機関を受診した際に判明した」が56.6%で最も高い結果でした。もっとも、この2項目を合算すると、本人86.8%、遺族75.7%、総計84.7%となり、感染判明の多くが検査や受診の機会を通じて生じていることがうかがえます。本人と遺族で内訳には違いがみられるものの、全体としては、健康診断、献血、医療機関受診といった外部の接点が、感染把握の重要な契機となっていると考えられます。

Q3. どのようなきっかけで「B型肝炎訴訟の給付金制度」を知りましたか。
  (複数選択可)必須

 選択肢B型肝炎の感染被害者ご本人B型肝炎感染被害者のご遺族総計
01.弁護士事務所の広告
(テレビCM・ラジオ・新聞・インターネット広告)
83.5%84.1%83.6%
02.行政(国・自治体)の広報4.6%4.2%4.6%
03.医療機関(医師・病院・健診など)8.4%8.5%8.4%
04.家族・親族・友人・知人から聞いた15.6%22.2%16.9%
05.その他0.7%0.5%0.7%

<分析>
制度認知の中心は、本人・遺族ともに「弁護士事務所の広告」
本調査では、制度認知のきっかけは、本人83.5%、遺族84.1%と、いずれも「弁護士事務所の広告」が8割超で最も高く、制度を知る主要経路となっていました。一方、「行政の広報」は本人4.6%、遺族4.2%といずれも低く、公的な情報提供の届き方にはなお検討の余地があると考えられます。

Q4. B型肝炎訴訟の給付金制度に請求期限があることを、知っていましたか。
  (1つ)必須

 選択肢B型肝炎の感染被害者ご本人B型肝炎感染被害者のご遺族総計
01.知っていた64.7%61.9%64.2%
02.知らなかった35.3%38.1%35.8%

<分析>
請求期限を「知らなかった」人は、本人・遺族ともに3割台後半
本調査では、請求期限を「知らなかった」割合は、本人35.3%、遺族38.1%で、いずれも3割台後半となり、
大きな差はみられませんでした。本人・遺族を問わず、請求期限に関する情報が十分に届いていない可能性があり、
期限周知のあり方は今後の重要な論点の一つと考えられます。

Q5. 制度を知ってから、弁護士などに相談・行動するまでに、どの程度の
  期間がありましたか。(1つ)必須

 選択肢B型肝炎の感染被害者ご本人B型肝炎感染被害者のご遺族総計
01.1~2か月以内16.9%18.0%17.1%
02.2か月~半年程度13.9%16.9%14.5%
03.半年~1年以内15.0%17.5%15.5%
04.1年以上54.2%47.6%53.0%

<分析>
制度を知ってから相談・行動まで「1年以上」が最多
本調査では、制度を知ってから実際に相談・行動を起こすまでに「1年以上」と回答した人が総計で53.0%と過半数を占めました。クロス集計でみても、「1年以上」は本人54.2%、遺族47.6%で、いずれの群でも最も高く、制度を認知しても相談や手続開始まで時間を要する傾向が共通してみられます。背景には、資料収集や手続準備、家族内の調整など複数の要因がある可能性があり、請求期限の周知や早期相談につなげる支援のあり方が今後の論点になると考えられます。

Q6. B型肝炎の治療において、経済的な負担はありましたか。(1つ)必須

 選択肢B型肝炎の感染被害者ご本人B型肝炎感染被害者のご遺族総計
01.継続的・長期的な経済的負担があった39.7%31.8%38.2%
02.一時的に大きな経済的負担があった15.6%27.0%17.8%
03.特に経済的負担はなかった44.7%41.3%44.1%

<分析>
治療に伴う経済的負担を経験した人は56.0%
合計56.0%と、半数以上の被害者が治療における経済的負担を経験しています。さらに、そのうち38.2%は「継続的・長期的な負担」を強いられています。給付金制度には、過去の被害救済に加え、生活上の負担軽減という側面もあることがうかがえます。

Q7. 現在の請求期限(2027年3月末)以降の期間延長は必要だと思いますか。
  (1つ)必須

 選択肢B型肝炎の感染被害者ご本人B型肝炎感染被害者のご遺族総計
01.必要である59.6%56.6%59.0%
02.どちらともいえない36.6%37.0%36.7%
03.不要である3.8%6.4%4.3%

<分析>
期限延長が『必要』との回答は59.0%
調査では、請求期限の延長について「必要である」との回答が59.0%、「不要である」との回答が4.3%でした。
請求期限の延長を必要と考える回答が過半数を占めており、当事者のあいだで延長を求める声が一定数あることがうかがえます。背景には、制度認知や期限に関する情報提供、相談・行動までに時間を要する実態などが影響している可能性があります。

Q8. B型肝炎訴訟の給付金制度や情報提供のあり方について、国・行政に
  改善してほしい点があればご記入ください。任意・自由記載

・60代・男性
 医療機関や市区町村等の保健師から制度の情報提供をしていただければ対象者に周知できるのでは。

・50代・女性
 その節はお世話になり、感謝しております。夫がB型肝炎から肝臓癌になり、2006年に35歳で死去しました。
 今回、義母の死去があり、子ども達と相談して、ダメ元で問い合わせしました。
 義母の手前、生前にこの話出来なかったからです。請求期限がある、とよくコマーシャルで聞いていたので、
 間に合わないと思っていました。私たちのような遺族が、他にもいるかもしれません。その方達のためにも、
 請求期限が延長され、給付金を受け取れる機会があれば、と思っています。給付金は、今後の人生で、大切に
 使わせていただきます。本当に、ありがとうございました。

・50代・女性
 まだまだ知らない方や、知っていてもどうしたら良いのか、相談に躊躇してる本人、家族がいると思う。

・70代・男性
 まだ申請をしていない方は、相当数おられます。あと1年ほどですが、権利は有効に使った方が良い。
 私は大変お世話になりました。送り帰された他資料を見て作業にびっくりしました。

・70代・男性
 メディアに積極に情報を流して欲しい、簡素な手続きにして欲しい、国、行政が医療等に積極的に向き合い、
 基礎研究に力を入れて欲しい。

・50代・女性
 医療機関から制度の説明があってもいいのではないかと。また、カルテも電子カルテ以前の20年以上前の
 カルテの情報が見つかるとも思わなかったのであきらめていました。もっと情報が欲しかったです。

・60代・女性
 医療機関で感染が判明した時点で、情報または資料を提供して欲しい。

・60代・男性
 医療機関によって対応がちがう。

・60代・女性
 医療従事者が訴訟について詳しくなくBCG接種跡の書類を見せた時やり方が解らないと言い迷惑そうでした。
 認知度が低いのだと感じました。

・40代・女性
 何年も前からB型肝炎給付金制度があったことは知りませんでした。田舎の方なのでテレビでのCMも遅れてるから
 やっと何年も知って給付金制度も遺族が手続きできるのも知ったのでもっと早くに手続きしていればと思いました。

・60代・男性
 給付金制度を理解していない病院が多い、給付金使えるとのことで、診察受け付けたら、当医師が診察は、
 一番最初に診察受けた病院でしてくれとの事で、拒否された事が2度あった。
 1度は無料のはずなのに、初診料取られたので、抗議したが、いまだに返金してこないし、給付金制度の所と保険所
 に抗議の電話をしたが、自分たちには権限ないとのことで逃げられた。さすがお役人だし、誠意が感じらない。
 医師たちは、他の病院で診た患者は見ないことで、責任逃れをしているとしか考えらない。

・60代・男性
 国からもっと告知して欲しかった。

・60代・男性
 国が事例を公に公表して、まだ気付いてない国民に知らせたほうがいいと思います。

・60代・男性
 国や行政機関は積極的に「給付金を支給しますよ!」とは啓発活動はしないでしょう。
 限られた財源から拠出するわけですから…なるべくなら訴訟を起こさず期限切れに持ち込みたいと切望していると
 思いますが…集団接種時に注射針の回し打ちで感染した患者の気持ちになり対応して頂きたいと懇願して止みません。

・50代・女性
 今回 病院への検査証明などの際、何件も問い合わせをし断られました。行った病院では他の患者様の目の前で
 1~10まで話を聞かれた挙句最終的には断られ、ある先生からは『どこの病院も誰もこういうのは信用しない。』と
 あしらわれ病院側の対応に本当に辛く感じました。最終的に主治医に見てもらいましたが…主治医からも『無理』
 だと、B型肝炎給付制度が病院側にもちゃんと理解されていないと思います。お金目当て…みたいな感覚を感じました。
 B型肝炎に関して検査が出来る病院など指定していただけるとありがたいと思います。

・70代・女性
 詐欺にしろ、まだまだ知らない人はいると思います。皆さんには、私みたいなシニアにも手が届くことを願います。

・60代・女性
 私の場合、亡くなった主人の家族がすでに亡くなっていてハッキリしない部分が多くて、時間が掛かり差し戻しが
 2回程あって3年を要したが、先生方を信じて待ち続けて和解に繋げて頂き本当に感謝しています。
 亡くなって20年経過しての訴訟だった為減額ではありましたが、親身に対処頂きました事、感謝しかありません。
 ありがとうございました。また、最初の相談の時に弁護士費用など細かく説明頂きました通りの請求だった事で
 和解に向けて安心しました。

・60代・女性
 私は亡くなった母親の血液検査結果の紙を持っていたため請求することができましたが、従姉妹は病院でB型肝炎と
 診断されたけれど、母親がその後亡くなったため証明することができず、請求をあきらめました。私は運が良かった。
 でも、従姉妹を見ていて、どうすることもできず無念です。

・40代・女性
 私は、テレビ広告見た知人の情報提供で給付制度を利用させて頂きました。そもそもB型肝炎自体発症しているかも
 分からない方々が多いと思います。なので健康診断等の検査項目に追加推奨するべきだと思います。
 医師も知識不足な方が多くて困る。 

・50代・女性
 私はHB抗原がある状態ですが、将来、B型肝炎に発症したら、補助があるのかどうか、心配です。

・30代・女性
 私はいろんな弁護士事務所のCMで知りましたが、国からもこういうお知らせはあるんでしょうか…?
 もっと周知できるようにしてほしいと思います。あと請求期限が2027年3月までということですが…そもそも期限が
 必要なのか疑問。期限の延長などないのであれば、残り短くなっていますし、きちんと周知できるよう責任を持って
 対応していただきたいです。

・40代・女性
 私は単なるキャリアですが、兄は母子感染で、肝炎の症状もひどくて、一時期劇症肝炎になって、生命も危ぶまれる
 状況でした。今は薬でおさえていますが、結婚したのに子供をつくることができずに兄は子供ができませんでした。
 私は結婚していませんし。そんな中、兄も訴訟しましたが、受け取れるのがたかが300万。兄の一生をダメにされて、
 その金額は妥当なんでしょうか。私も兄の子を見ることが叶いませんでした。
 補償をする際は、現在の状況だけを見るのではなく、経緯、そして失ったものの大きさも考慮していただきたいです。
 せめて兄には長生きして欲しい。

・50代・男性
 時効だから、貰ったのは激しい減額でしたが、せめて、かかった病院の実費ぐらいは保証してほしかった。

・60代・男性
 自分が請求できるものなのか、請求して良いものなのか、手続きは面倒なのではないか、周囲に知られて嫌な想いを
 するのではないかなど迷いました。同じように迷っている人がいると思うので、様々な方法での周知とともに期限の
 延長が必要だと思います。

・70代・男性
 自分のB型肝炎が国が奨励する接種の為とは思っていなくて只々生活習慣から罹った自己責任と捉えていました。
 このような患者様もまだいられると思いますので先ずは申請するようにと訴えて下さい。

・60代・男性
 自分の感染がわかった頃、医師がB型肝炎患者から誤って感染したことで劇症肝炎で死亡した報道などがなされ、
 即死の病かのような誤解が広がっており、自分も誰にも言えずに訴訟にも尻込みし、結局訴訟をお願いした時には
 当時の必要なカルテは無く慢性肝炎と診断がされた事実は証明できなかった。
 今も、被害者なのに偏見差別を気にして行動を起こせない人がたくさん残っていると思う。心ないガセ情報が巷に
 たくさんあるから。法律事務所のPRは、TVでもネットでもよく見るが、それよりも国がもっと誠意を尽くして補償を
 進めるべきだと強く思うし、偏見差別の払拭にも努めるべきだと思う。秘密は守りますだけでは不十分。
 そうじゃないと結局は泣き寝入りする人が多いままになると思うから。

・70代・男性
 証明するのが、大変に苦労したので、該当小学校名等、公に発表してほしいです。

・60代・性別不明
 詳しい検査をしてもらうのに、なかなか医療機関がなかった。なので、難病の担当医に頼んで、内科を紹介して
 もらったので、どこでも検査を出来る様になって欲しい。

・50代・女性
 情報が少なく自分自身も病院の検査でB型肝炎と言われてもその時は何をすれば良いのわからずにいました。
 その時は病院の先生に聞いても血液は他の人に触れてはならない!事だけで全く病気の事をわかっていませんでした。
 もう少しこの病気はどういう物なのか?わかりやすく説明や治療法なども教えて欲しかったと思ってます。

・70代・男性
 請求期限は撤廃すべきである。

・70代・男性
 訴訟の事をよく知らずに、裁判で出廷する時に会社に知られるのではないかとおもい、関心がなかったが、
 感染させる可能性が極めて低くなったのと、生活資金が必要になり3年程思案して電話したけど、そういう状況で
 なければ電話しなかったし、訴訟の事をもっと詳しく知っていればもっと早く提訴してたと思う。

・50代・男性
 知合いの方は、担当医から『申請しても無理ですよ』と言われたらしいです。
 そういう方は、他にも多数いらっしゃるのではないかと思いますが?

・50代・女性
 注射の集団接種を学校で接種していた事実。断れない子供達。
 その時代にいた人達に期限なしでいろんな面で寄り添ってもらえたらいいのになって思います。 

・60代・男性
 東京都は、難病指定で医療費無料だったのかありがたかった。

・70代・女性
 同じような事案が二度と起きない事を願います。

・60代・女性
 妊娠でB型肝炎に感染してる事を知り38年たち今回思い切ってご相談させて頂きました。その間B型肝炎である事を
 家族以外には隠したい気持ちでいましたし、こちらが今となっては被害者であるのに引け目を感じながら生活して
 いました。もちろん産まれた子供たらにも知らせていません。3人の出産の際にも感染しないように先生には配慮して
 頂き感謝しかありません。それでも感染してないか不安を抱えての生活でした。

・60代・女性
 弁護士からのテレビコマーシャルではなく国からの情報が欲しい。

・50代・女性
 弁護士事務所の広告でしか知る機会がなかったので、それだけだとどこか信ぴょう性に欠ける感じはありました。
 実際にお世話になってみて、本当にもらえるんだーと思った次第です。国や行政として、もっと周知する
 必要があるのでは?と感じます。給付金の類いって、自分で調べてもらうものという感じなのでしょうけど…

・40代・女性
 本人死亡後は請求出来ないものと思っていて周りに死亡後でも請求出来ると聞いたのが20年を過ぎ遅くなってしまった。
 大学進学できなかったりと経済的負担が大きかった。もっと知る機会があればと思った。

・60代・男性
 目にはいる情報は法律事務所からのものばかりで、国や行政機関からももっと情報提供をすべきだと思います。

・70代・女性
 余りにも手続きが大変でした。特に注射痕の証明書を作成するのが大変でした。
 もう少し、手続きを簡単にする事を希望します。

調査結果の総括

①周知の状況

本調査では、制度認知のきっかけ(複数回答)として「弁護士事務所の広告」が83.6%に達した一方、「行政の広報」は4.6%にとどまりました。この結果から、制度認知が公的周知ではなく民間広告に大きく依存している実態がうかがえます。本来、国の責任に基づく救済制度である以上、制度の存在や請求期限に関する情報は国・行政が主体的に周知すべきであり、行政広報の割合がごく低い現状は、公的周知が十分に機能していない可能性を示しています。自由記載でも、「国からのアナウンスはなく、患者が申請しないと国は何もしない」「目にはいる情報は法律事務所からのものばかり」「もっと国が責任を持って告知して欲しい」といった声が寄せられており、制度周知の不足に対する当事者の不満は小さくありません。

②期限に関する課題

本調査では、請求期限を知らなかった回答が35.8%、制度認知から相談・行動まで「1年以上」を要した回答が53.0%でした。本調査の対象は、すでに請求行動に至った依頼者層ですが、その中でも3割以上が期限を知らず、5割以上が行動開始まで1年以上を要していました。このことは、まだ手続利用に至っていない潜在的な対象者では、制度認知も期限把握もさらに不十分である可能性が高いことも示しています。
以上から、国の周知不足と請求期限の存在が、被害者の救済機会を実質的に狭めていると考えられます。自由記載でも、「請求期限がある事は法律事務所に相談してから知った」「期限がある事をもっと知らせるべき」「請求期限は撤廃すべき」といった声がみられ、期限の存在自体が十分に周知されていないこと、また期限が被害者救済の障壁として受け止められていることがうかがえます。これは、B型肝炎給付金制度における現在の課題が、請求期限を含む情報周知の不十分さや、請求期限そのものの見直しにあることを浮き彫りにするものと考えられます。

被害者救済へ向けた提言

①国・行政による周知の抜本強化

本調査では、制度認知のきっかけ(複数回答)として「弁護士事務所の広告」が83.6%であった一方、「行政(国・自治体)の広報」は4.6%にとどまりました。この結果からは、制度認知が公的な周知だけでなく、民間による情報発信にも大きく支えられている実態がうかがえます。B型肝炎給付金制度は国の責任に基づく救済制度であることから、制度の存在、対象者の範囲、請求期限、相談先について、国・行政がより積極的に周知していくことが望まれます。
具体的には、テレビ・新聞・Web広告に加え、自治体広報、医療機関、健診機関、保健所、献血関連窓口などを通じて、情報を一体的に届ける体制の充実が期待されます。また、本人だけでなく家族や遺族にも情報が届くよう、発信先や発信方法を工夫していくことも重要です。救済制度を必要とする人に、より確実に情報が届くためにも、公的な周知のあり方について、さらに検討を深めていく必要があると考えられます。

②請求期限の速やかな延長・見直し

本調査では、請求期限を知らなかった人が35.8%、制度認知から相談・行動まで「1年以上」を要した人が
53.0%に上りました。この結果からは、請求期限の認知の有無が、被害者が救済にたどり着くまでの過程に少なからず影響している可能性がうかがえます。自由記載でも、「期限は設けなくても良いのではないか」「請求期限は撤廃すべきである」といった声が寄せられており、期限のあり方の見直しを求める意見が一定数みられました。また、請求期限の延長については「必要である」との回答が59.0%を占めております。こうした結果を踏まえ、現行の請求期限については、少なくとも速やかに延長されるべきであり、さらに、制度の周知状況や当事者が行動までに時間を要する実態も考慮しながら、期限を設ける仕組みのものの見直しを含め、制度のあり方を検討していくことが望まれます。

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